「…千晶?元気なくね?具合悪い?」




すぐ側にいた慎ちゃんが心配そうに私を見る




「全然平気!慎ちゃん移んなくてよかったね~」



「ほんとそれな。俺バカじゃないから風邪引くはずなんだけどさ」




「引かなかったからバカなんじゃない?」




「…千晶の部屋着な~。女としてどうかな~あれ。もっと色気あるやつの方がいいんじゃない?」




「う、うるさい!!!!」






…藤宮光とやってることは同じ。



バカにしあって、からかいあって。



同じことをしているのに、なぜだろう




「…千晶?」




不思議なくらいに別なことをしているように感じる




なにが足りないんだろう



なにが違うんだろう




そう考えると答えは1つしかなくなってしまう。





…藤宮光がいないから。




ただ、それだけ。





なんで藤宮光と言い合うときだけ特別なんだろう?




イライラするし傷つくし腹立つし悲しくなるし






ほんとあいつといると、そんな思いばかりなのに





どうしてだろう




時間がたつと笑えるんだよね。




そして言い合いも悪くないかな?って思う