な、なんだろう…




何も美沙ちゃんに隠し事なんてしてないのに、




気付かないで、知らないふりして、お願いだから…



って心の奥で叫んでる私がいる。



何に気づいてほしくないの???



叫んでいる私に聞くけど、答えてくれない





まるで声に出すことすら恐れてるようだ





「…千晶、もどってこーい」





自分の世界に入り込んでいると、目の前にぱっと慎ちゃんの顔がでてきた。





「…あ、おはよ。慎ちゃん」




「おはよー」




ヘラヘラしながら席についた慎ちゃん。



よし、次は藤宮光に挨拶…!



っと振り返ろうとすると





「もう始まるから光は教室戻れ。昼また来いよ」



「…うす」




そんな会話が聞こえてきて、私は肩を落とした





なんで普通に話しかけられないの?



なんで挨拶できなかったくらいで落ち込んでるの?




前までは話しかけたいなんて思わなかったのに。



顔を合わせるのも嫌だったのに。




…どうして?



『俺で恋の仕方学んでください』



そのときふと思い出した藤宮光の言葉




「…まさか、ね」




浮かんできた1つの可能性を全力で拒否する




私はあんなやつ好きじゃないのよ!!!