「千晶ちゃーんっ!」
藤宮光と慎ちゃんがお見舞いに来てくれてからもう三日。
私はようやくダルさも咳も鼻水もなくなり登校できた。
教室に入ったとたんに抱きついてきた菜々子ちゃんをぎゅっと抱き締め返す
…女の子っていいよな~。柔らかいよな~。
なんて変態っぽい考えをしていると
「…千晶先輩、鼻の下伸びてますよ」
呆れたような声が頭の上から聞こえてきた。
いつもならここで
人の顔勝手に見ないでよ!!!
とか
菜々子ちゃんに抱きつけないからって僻むな!
とか、すぐに振り返って文句を言うんだけど…
う、うしろに藤宮光がいる!!!!!
なんて無駄に緊張してなかなか振り返れない。
「…千晶が珍しく大人しいな」
勘のいい美沙ちゃんが私の顔をじろじろと見てくる。