意地悪な君の恋の仕方





でも、慎ちゃんが家に来るのは初めて。



「よく家分かったね~!あがってあがって!」



「いや!すぐ帰るから」




中に入れようとする私を少し拒絶した慎ちゃんは、私の頭を撫でた




「……体調は?大丈夫か?」



「あ、うん!」




私がそう言うと安心したようなため息をこぼした。




「よかった…。あ、なんか買ってくればよかったか?卵とかあんのか?大丈夫か?」



なんでそこで卵が出てくんのよ慎ちゃん…



「食べ物も飲み物もさっき藤宮光が買ってきてくれたから大丈夫だよ」



さっきの冷蔵庫の中身を思い出してそう言うと、慎ちゃんの眉毛がピクリと動いたような気がした




「…そっか!そーいや千晶に彼氏ができたんだもんな」



「あはははは…」




お試しだけどね…




「…そう、だよな。」




慎ちゃんは一人で納得したように頷いた。




「…慎ちゃん?」



「…なんでもねえよ。じゃあ俺帰るから。寝てろよ?光と仲よくな~」




慎ちゃんはそう言って帰っていった