「…くくく。もう大丈夫だよ」
「…でも、」
「ほんと平気!あんたこそ帰りなさいよ?もう暗いわよ~」
心配そうに私を見た藤宮光の背中を押して玄関まで連れていく
…なんか本気で心配そうな顔とか…不意討ち。
少しだけドキドキした気持ちをそっと心の奥に隠した。
「…。はぁ、分かりました。帰りますよ」
藤宮光は玄関まで来るとため息をついて私の髪をすく。
「千晶先輩はちゃんと寝てくださいね?」
「わかってるわよ!」
いつものように睨み付けると、藤宮光は目を細めて笑った。
…なんだろう。
なんか藤宮光が優しい…
私が病人だから?…それともお試しでも一応彼女だから?
彼女大事にするって言ってたもんね
慣れてるんだなぁ
そう思うと胸がチクチクと痛んだけど、口角をぎゅっと上げる
「…じゃあね。…今日はありがとう」
「…はい。お大事に」
私のありがとうに少しだけ目を見開いた藤宮光は微笑んで帰っていった

