「あー!もう分かんない!」
考えても考えても答えがでない。
でも、よくよく考えれば分からなくて当然だよね。
こいつとのお試し関係だって何で始まったのか分からないし
何よりなんで自分が反発しなかったのか分からない。
そりゃ、口押さえられてたけど…本当に反発したかったら藤宮光の手を噛んででも反発したと思う。
…ってことはお試し関係が嫌じゃなかったってこと?
「…分かんない」
自分のことなのに全然分からない。
自分のことすら分からないのに藤宮光の考えなんてわかるはずないか…
「…よいしょ」
考えが一段落ついたところで飲み物を飲もうとふらつく体で立ち上がる。
自分の家だけど、つくづく寂しい家だなって思う。
必要最低限のものしかないし…まぁ、欲しいものもないんだけどね
前に美沙ちゃんと菜々子ちゃんが遊びにきたときに絶景だと騒いでいた景色は、日が沈みかけていた。