「…千晶もストップ。もうそろそろ昼休み終わるし、早く準備しろよ?光も好きな子いじめてないで教室もどりなさい」
慎先輩の声に俺も丹田千晶も大人しくなる。
なんだろう。この人の有無を言わせない感じは。
好きな奴なんかじゃねーし!!!!なんて冗談でも言える雰囲気じゃない
丹田千晶の負のオーラもすっかり消えて、俺を見る目もさっきよりは優しくなっていた。
「光。ほんとに千晶と付き合うならいじめすぎんなよ?お前なら加減できるって信じてるよ。千晶はあんまり怒んな。いーな?」
付き合うと言う言葉に反応することなくはーい、と口を尖らせる丹田千晶と丹田千晶の髪を優しくすく慎先輩
なんだか、胸のあたりがもやっとする。
…なんだこれ?
予鈴と共に教室に戻っても、バスケをしても、家に帰ってもそのもやもやは晴れなかった。