手を離してしまいたいような、離したくないような



そんな状態のままじーっと丹田千晶を見ていると




「はーい、光くんストーップ~」




慎先輩が俺の手首を掴んで丹田千晶の口から離させた




感じられなくなった熱に少し物足りなさを覚える。




俺の手から解放された丹田千晶は肩で息をしながら、俺を睨み付けていた。




「あーんーたーね!!!!!」




特になんの能力がない俺でも、丹田千晶の後ろに負のオーラが見えた。




これからどんなに罵倒されるかを考えると自然にため息がこぼれる。




…自分から言い出したことだけど、こいつと付き合うのか





後悔しているのか、なんとか付き合えたことが嬉しいのか自分でもわからなかった。