「光くーん!!!!」
朝から響く洋太の声。
「…んだよ」
俺は低血圧だから、朝は基本機嫌が悪い。
低い俺の声に動じずに話しかけてくるのは洋太くらいだ。
いつもはうるさい女共の間で朝に俺に声をかけることはタブーになってるらしい。
ありがたいことだがな
洋太は俺の前の席に座るとキラキラした顔で俺を見た。
「瞬殺先輩落としたってほんとかよ!?」
洋太の明るい声に俺は昨日の出来事を思い出す。
「これで公認っすね!」
にこにこしながら丹田千晶に言った俺。
自称にこにこだが、きっと丹田千晶には意地悪い笑顔に見えていただろう。
「んー!んむー!」
どうにか話そうと俺の手の中で騒ぐ丹田千晶
その度に柔らかい唇が俺の手のひらに触れて…
「…っ」
顔が赤くなっていくのがわかった。