「逆に相手のこと好きじゃないのにどうして断らないの?」
それとももしかしたらこんな風に
「好きって何?恋愛って何?そんなことも分からないのに付き合えないでしょ」
同じ考えの人がいるって知りたかっただけなのかもしれない。
「…じゃあ、俺とお試しで付き合いましょう。」
なぜかするりと口から出た言葉。
自分でも意味がわからない。
でも、目を真ん丸にした丹田千晶の顔だけを冷静にみていた。
「俺と付き合って恋の仕方を学んでください」
無理矢理だってわかってる
「…まさか恋愛初心者のくせに断る気?」
初心者2人で上手くいくわけないってわかってる
「今日から俺の彼女っすからね?千晶先輩。」
それでも、この人と一緒に恋の仕方を知りたいって思ったんだ。
「みなさん!俺と千晶先輩付き合うことになりました」
柔らかい唇に押し当てた手のひらが熱くなる
その熱に、恋の熱さを感じた気がした。