「千晶先輩ってモテるんですね~」
分かってたことだけど、中身を知る前と知ったあとじゃ驚きの大きさが違う。
悔しいことに感心しているようになってしまった。
「まあねっ」
強気にそう言った丹田千晶。
顔には『あんたに言われたくないのよ』って書いてある
本当にわかりやすいな
でも、そーゆー分かりやすいところに俺のS心はくすぐられて…
「そんなに魅力ないっすけどね~」
また、気に触るようなことを言ってしまうんだ。
残念なことに丹田千晶にはMっ気がない模様。
惜しいな…って俺もそこまでドSじゃねえし。
ギャーギャー騒ぐ丹田千晶の横でごちゃごちゃとたくさんのことを考えていると、無意識に口から出てきた本音。
「そんなにモテるのにどうして振るんですか?」
声に出してから
あぁ、俺はずっとこんなことを考えていたのか
と思って少しだけ笑いそうになった。
どんな奴に告られても断ってきた俺。
自分でもその理由がわからなかったのか?
それとも…