お母さんが全員に紅茶を淹れるとお父さんは1つため息を吐いてゆっくりと話し出した
「まず、お父さんとお母さんに謝らせてくれ。そして、話を聞いてくれると嬉しい」
私はゆっくりと頷く
そうすると二人はほっとしたように微笑んで、また真剣な顔になった
隣に座る慎ちゃんは俯いていた
「お前と翔太を置き去りにしたこと、苦労をかけたこと、負担をかけたこと、本当に申し訳なかった。」
そう言うと深く頭を下げた二人
私はただ黙ってみていた
「あの時は、ああするしか方法がなかったんだ。私たちは綺麗な関係ではなかったから…」
綺麗な関係って何?
二人は私が嫌いで出ていったんじゃないの?
「お父さんとお母さんは…正式な夫婦ではないのに、いや。お互い家庭を持っていたのに、千晶を授かり、そして生んだんだ」
ああ、そういうこと。
不思議と頭の中は冷静で。
そりゃ綺麗な関係って言えないね
頭の中の私はそう言って自嘲気味に笑っているのに、実際の顔はピクリとも動かない
「そしてあの時、それがお父さんの妻にバレた。私の側を離れるな、その子とこの子どっちが大事なの?そう言って大泣きされたよ」
黙った私を見て、話を続けるお父さん。
俯くお母さんと慎ちゃん。
「その子とこの子……?」
やっと出た声はかすれていて、余裕がないのなんてバレバレだ。
「……そう、その子とこの子。千晶と………慎だよ」
さっきまでピクリとも動かなかったはずの顔が強ばった。
目はぐんっと大きく開かれる
私と、慎ちゃん?
どーいうこと?
慎ちゃんは相変わらずうつむいている