意地悪な君の恋の仕方




「千晶…大丈夫か…?」



「慎ちゃん……」





走ってここまで来たんだろうか



触れる指先は冷たく、けれど額には汗があった




「どこに、いたの?どうして来たの?」




慎ちゃんの背中に腕を回し、胸に顔を埋める




「ずっと、千晶の両親といた。…ずっと探し回って、ようやくみつけたのに…どうして…」




どうして




私も思ったその言葉になにも答えられなくて、ただ腕にこめる力を強くした




「…くそっ……」






慎ちゃんの肩は震え始めて、私はなにも言わずずっとそのままだった




静かに二人で泣いた




久しぶりの慎ちゃんの匂いは昔となにも変わってなくて、それも悲しかったの



どうして、こうなっちゃったのかなって。