意地悪な君の恋の仕方





やっと、気付けたのに



お互い大切なのに、すれ違っていただけだって



やっと、わかったのに……




「どうして、死んじゃったの……?」



ああ、ダメだ。



ベットまでたどり着けそうにない



二人がいるであろうところまではまだなのに、既に涙で顔がぐちゃぐちゃだ



こんな顔、見せたくない




お母さん。



あの日、本当はお母さんが涙ぐんでたの知ってたよ




お父さん。



あの日、お父さんの声が震えてたこと、気付いてたよ




でも、忘れなければ辛かったの




私を突き放していく二人の方が悲しんでるなんて、私一人きりで頑張れそうになかったから



恨まないとやっていけなかったから




「くっ……ふっ……」





もうダメだ。



立っているのも辛い




そう思って座り込もうとすると、掴まれた左腕




なに?そんなことを考える暇もないまま



そのまま引っ張られて抱き締められた