「探すっつってもな…どこにいるとかわかんねぇし。そもそも顔すら覚えてねぇ…」




これからどうしようか。



そう思っていると



「おねーちゃん!どうして泣いてるの?」



「どこかいたいの?」




女の子と男の子の声が聞こえてきた



どうやら俺が隠れている植木のすぐ側にあるベンチのところで話しているらしい




俺からは泣いてる、という女の人の顔は見えなくて



ただ、双子だと思われるそっくりな男の子と女の子が心配そうな顔で話しかけていた




「どこも、痛くないよ。大丈夫。」




透き通っている、綺麗な声



「じゃあ、どうしてないてるの?」



「しーとゆーにも教えられない?」




しー、とゆー。それがこの子達の名前なんだろう




「んー、じゃあお姉ちゃんのお話聞いてくれる?しーちゃんとゆーくんに話したら元気になるかも」




その言葉を聞いてキラキラと笑って頷いた双子



子供の扱いがうまい人だな



俺はなんとなくここにいた方がいい気がして、動けなかった





「お姉ちゃんはね、いなくてもいい子なんだ」