俺は耳を疑った
行方不明…?
「口止めされてたんだけど、一時間くらい前に丹田さんが来て…普通に、いつも通りに挨拶してくれたの。さようなら、って。そしたら今…翔太くんから連絡がきて…菜々子ちゃんに伝えてくれって…」
来た?じゃあ、あのゼリーはやっぱり…
『た、すけて…』
頭の中にまた声が響く
『ねえ、早く来て…』
これは過去じゃない
こんなこと、言われたことねぇだろ
『光…』
あいつは、光なんて呼ばねぇんだ
『会いたい…』
会いたいなんて素直で可愛いこと言わねぇよ
助けたいのも、来てほしいのも、光って呼ばれたいのも、会いたいのも
俺の方だっつーの!!!!!!
「くっそっ!!!!!!!痛くねぇ、大丈夫だ、痛くねぇ!!!!!」
「光くん!?」
まだ、完全には思い出せない
でも俺は行かなきゃいけない
「ごめん、俺いくわ!!!!!」
病院の服で、スリッパで
俺は看護師やら医者やらに追いかけられながら走り続けた
よく、わかんねぇけど
会いてぇ。それだけだった。