『あんた、好きな子にもそんな態度なの?』
頭の中に声が響いて
「いっっ…!!!!」
また頭がズキズキと痛む
「光くん…」
泣きそうに俺を見る菜々子先輩の手を握る
俺は、大丈夫。全てを聞きたい。
そう、伝わるように…
「あ、ある日、千晶ちゃんが急にお試しを解消したっていい始めた。でも、私も美沙ちゃんもそんなの納得できなくて…海の側にある私の別荘へのお泊まりを企画した」
菜々子先輩は俺を見つめながら話す
「そこで王様ゲームを始めて…慎ちゃんが強くて…お陰で私と翔ちゃんは付き合えた。そして、光くんは命令されたの。花火を買ってこいって」
ああ、これは覚えてる
記憶はとびとびだけど、美沙先輩の手を引いてコンビニまで急いだ
そしてずっとずっと、頭の中でリピートしていたんだ
『待ってるから』
「ぐっ…」
「そして、帰ってきて…慎ちゃんと光くんは気が付いたらいなくて…そしたら、叫び声が…」
思い出したのか菜々子先輩の手が震え始める
「ごめんね、あんなところに呼んだりして。ごめんね、助けてあげられなくて。痛いでしょう?ごめんね」
そう言って、優しく俺の頭を撫でた

