ぼーっと、りんごを見つめる




誰が足りないんだ?



分からない…でも、思い出すのをやめちゃダメな気がする




「千晶ちゃんも翔ちゃんも、りんご大好きなんだよ」



菜々子先輩がりんごを手に取りそう言う



千晶…?翔ちゃん…?



「分からないよね、うん」




悲しそうに笑う菜々子先輩




そいつらが、俺の忘れてる人?




「ううん!気にしないで!私の大切な人たちなの。いつか、またみんなで仲良くしたいな…。さてと!今剥くね!」




いつか、また…



やっぱり前はみんなで仲がよかったのか




頭が、痛い



なんだかぼーっとする



でもここで考えることをやめたら俺は一生思い出せないと思う




「あれ?」



そんなことを考えていると菜々子先輩が棚をみて声をあげる




「誰が来たのかな?ほら」




そう言って菜々子先輩が俺に見せてくれた袋のなかには




「ゼリー?」




そこには大量のゼリーが