「バイバイ、翔太。ごめんね、ありがとう。」
私はそっと翔太の財布に一万円を忍ばせて、家を出た
翔太は今ごろトイレで何も気にすることなく泣いているんだろう
昔から私の前では泣かない翔太
たまには、頼ってくれてもいいのに。
そう思いながらそう言ってあげなかった私は、結局翔太を支え抜く自信がなかったのかも。
翔太は、もう何年も私を支えてくれているのに。
翔太、トイレから出て明らかに泣いたって分かる顔で私に言うつもりなんでしょう?
「大丈夫だって、俺がなんとかするから」
もう、何年もそう言ってくれてありがとう
翔太は強いから、私がいなくても大丈夫
だから、さようなら。
泣かないでね。
さようなら。
今まで、ありがとう。