偶然じゃなかった…なんて、驚いた?
驚いてくれたなら、よかった。
だって俺は今までずっと、それを隠してきたから。
バレてなくてほっとする。
俺はね、二人に会いたくてこの町に来たんだ。
二人を置いて出ていった千晶の両親は、その後俺の隣に越してきた。
いつも一緒にいてくれたんだ。
俺の両親よりも、両親だった。
大好きだった。
でもある日、突然いなくなったんだよ。
俺に何も言わず、急にいなくなったんだ。
俺には二人がどこにいったなんて見当もつかなくて
大切な人たちを失った俺は、大切な人の大切な人に会いに行きたくなった
千晶も、翔太も。
あの人たちにちゃんと愛されていたよ。
いつも優しい顔で二人の話をしてくれた。
ちゃんと、愛されているよ。
まぁ、大好きな人たちの大好きな人なんだから、俺は当然のように二人を大好きになって…
少し、愛しすぎちゃったみたいだ
ちょっとだけ、疲れたんだよ。
こんな自分は、自分でも嫌だ。
だから、少しだけさようなら。
強くなったら帰ってくるから
俺は帰ってきたら千晶にプロポーズするよ
それが嫌なら、光と幸せになってて。
全部、勝手でごめんね
慎

