「…千晶、読もうぜ。」
翔太は震える私の手を引いて寝室にいくと、ベットに腰を下ろした。
そして私の肩を抱き、ポンポンと頭を撫でる
大丈夫だよ
そう言っているようなそのしぐさに、やだよ。読みたくない。そう言ってしまいそうになる。
でも、それはダメなの。
「慎との約束、覚えてるよな?」
私はゆっくりと頷く。
慎ちゃんとの約束…
「もし、俺が二人に手紙を書くようなことがあったら…そのときは…」
「そのときは、千晶が読んでくれよ」
なんでだよ、と翔太が慎ちゃんに詰め寄ると
だって翔太は漢字読めねえじゃん。
その言葉に私と翔太は納得して…
感心する私たちに慎ちゃんは笑って言ったじゃない
『俺が手紙を書くなんて、別れの時くらいかな~。まあ、そんな日は来ないけどな』
嘘つき。

