「お前財布ないとか早く言えよ!!!!」




財布が空になった翔太は私の家に着いてもぐちぐち言ってくる




「はいはい」




だって本当は財布もってるもん。




あとからこっそり翔太の財布に一万円入れておこう。




「…あと5分か」




約束の時間まであと5分



急に二人とも話さなくなって、意識は玄関に。





「それにしても、5分前に慎が来ないっておかしくね?」




「…まぁ、たしかにね。慎ちゃんいつもは誰よりも早いし」




こんな話をすると考えてしまう




慎ちゃんはちゃんと来るのかな?って。





「…おい、もう時間だぞ。あいつどうしたんだよ」




どんなに時計の針が進んでも慎ちゃんは来なくって




もう、分かってしまった




慎ちゃんは来ない。




ピンポーン




鳴り響いたインターホンに二人で立ち上がる



相手も確認せずにドアを開ける




「慎ちゃん!?」