菜々子ちゃんに支えてもらいながら病室へと戻ると、ベットのすぐ側で立ちすくむ翔太がいた。
「…翔太?」
そっと横から顔を見ると、どこを見ているのか分からないほどぼーっとしていた
「…どうしたの?翔ちゃん…?」
菜々子ちゃんも心配になって顔を覗かせる
「あ、菜々子先輩じゃないっすか!」
すると今まで黙って私たちをみていた藤宮光が声をあげた
思い出してくれたのかな…!!!!
期待はすぐに裏切られた
「この人たち誰なんすか?菜々子先輩の知り合い?こいつなんか俺に説教とかしてきたんすけど?」
…うそ
翔太のこともわすれちゃったの…?
翔太はうつむいて、菜々子ちゃんは手で口を押さえていた
私は…涙も出なかった

