それから何分経ったかな
いつまでもここにいては、いくら死角でも誰かに見つかってしまう
そう思い始めた時だった
「戻ったら光目覚ましてねえかな~」
「そうなってたら、千晶ちゃんが喜んで呼びに来てるよ」
「んー、わかってるけどさ。早く光と話してえよ」
「…そうだね、翔ちゃん」
聞き覚えのある声が二つ。
私はそっと翔太のズボンの裾をつかんだ
「おわ!?な、なにごと…って千晶!?」
目を丸くしている翔太に少しだけ笑いが溢れる
「どうしたの?千晶ちゃん?」
心臓バクバクしてる、なんて胸を押さえている翔太の隣にいる菜々子ちゃんは冷静にそう聞いてきた
きっと、私の目が赤いことに気づいたんだろうな