意地悪な君の恋の仕方






「…俺は、おじさんとおばさんに会いたくて…。でも俺に残された情報は千晶と翔太ってことしかなかった。今まで二人が話してくれた千晶と翔太の情報しかなかったんだよ」




「…それで、二人に会うためにあの町に?」




中学のとき転校してきたらしい慎先輩



二人に会うために転校までしてきたのかよ…



こくりと頷いた慎先輩を見たときにすげえ、って心の底から思った




「二人は本当にいい奴で…すぐに仲良くなれたよ。お前にも似たような匂いを感じてなあ、ほっとけなかったんだよ」




大好きだった慎先輩の笑顔で、そう言った




でも、そのあとすぐふっと表情が変わる




「でもな、千晶だけはいくら可愛い可愛い光でも渡せねえの。ごめんね?」





「…え?慎せんぱ…」




ふわり、と宙に浮く感覚




そんなものは一瞬で。




「ぐあああああ!!!!!!」





俺の視界は真っ暗になった