「優しいおじさんとおばさん。俺はすぐに二人が大好きになった。本当の親より親だと思ってたよ。それと同時に会ったことがない千晶と翔太も好きになった。」
大好きな人の大好きな人は、自分にとっても大好きな人になるんだよな。
それが家族でも、恋人でも、親友でも
大切な人の大切は自分にとっての大切なんだ。
「…でもある日、おじさんとおばさんはいなくなった」
「…え?」
「あんなに毎日会ってたのに。俺にはなにも知らせずにどっかに行った。…千晶と翔太の時と一緒だよ」
慎先輩は苦しそうに顔を歪めた
大好きな人が消える…
それがどれほど痛いことか、俺は丹田千晶がいなくなることを想像して実感した
痛くて痛くて、耐えられそうもない。
俺も消えてしまいたいくらいだ

