「さあ、いろいろ気になるみたいだし話を始めようか」
優しく微笑むその下には、何人の慎先輩が隠れているんだろう
そう思うと身震いしたけど、逃げれない。
逃げたくない。
「どっから話せばいーんだろうな…。最初からか。」
ふう、と一呼吸おいて慎先輩は話始めた
「…俺が千晶と翔太が住む町へ行ったのは、偶然なんかじゃなかった。」
「…え?」
「…おう。これ、千晶にも翔太にも内緒な」
俺はこくりと頷いた
「千晶の家の話は知ってんだろ?千晶と別れたあの人たちが次に住んだマンションの隣の部屋に住んでたのが俺の家族だった。」

