「…やめた?」 慎先輩が何を言っているのか理解できない だって慎先輩は誰よりもバスケが大好きで、誰よりもバスケが上手くて… あの、桂木慎と この、桂木慎は 別人なのか? そう思ってしまうほど、信じたくなかった 「…実はまだ、誰にも言ってないんだよね。この先の話にも関係あるから光には特別ね」 冷たく見える切れ長の目を、これでもかってくらいに優しく細めて俺を見る慎先輩 実は慎先輩って双子? 俺の大好きな慎先輩と俺が大嫌いな慎先輩 あぁ、もう、頭がぐちゃぐちゃだ