意地悪な君の恋の仕方





「思ったよりさみいな…」



連れてこられたのは慎先輩が使うことになっている部屋のベランダ…というかテラスというか




ほんと、ここはどんだけ立派なんだろう




部屋は一人一部屋用意されてるし、ベランダはこんなに立派だし




是非ともあとで探検したい




慎先輩の隣にただ立ってるだけの俺はそんなことを考えていた





「あれ…先輩って吸うんですか?」




視界に写った煙に思わずそう聞く




だって先輩はバスケだってやるし、一回もそんな姿を見たことがない




丹田千晶とのことでいろいろあるけど、今は一人の後輩として、部員として気になった




「…あー。最近始めたんだよね。吸っちゃダメな理由なくなったしな」




「…え?バスケは?」





俺の言葉に慎先輩はまだ長いタバコを空き缶へと入れた





「やめた」