意地悪な君の恋の仕方





「…私も」



「ほら、早く二人に渡して来てください」




俺がそう言ってにっこりと笑うと、丹田千晶は不満そうに二人の元へと向かった




…よし、このままこの件に関しては忘れるだろう




1つ何かあるとその前のことは忘れるって、わりと好都合だよな




丹田千晶って絶対言ってもきかないから忘れさせるしか方法ないし…




「光」




後ろから聞こえたその声に振り向く気力を失った




「なんすか、慎先輩」



「とりあえずこっち向けよ、な?」




その話し方は俺が部活でしか慎先輩と話してない時のようで




ああ、慎先輩のこと結構好きだったな




なんて思ってしまった




「お前に話したいことがあるんだ…とりあえず上いかねえ?」




顎ですぐ側の階段を指した慎先輩に俺はゆっくりと頷いた