「…よぉ、千晶」





声のする方へ行くと、Tシャツに短パン、麦わら帽子というふざけた格好をした翔太がいた




「なにやってんのよ、あんた」




冷めた声でそう言うと翔太が手招きしてきた



なによ…




そう思いながら近づくと、顔を耳に寄せてきて




「俺、この旅行で菜々子に告白するから」




小さな声でそう言った




翔太が菜々子ちゃんに告白!!!!!




自然と口がにやける。




がんばってね!!!!




そう大声で言いたいけど、言ってしまえば翔太の考えがみんなにバレてしまう可能性がある




だから少し強く背中を押した




私が何を伝えたかったのか翔太は理解したようで目を細めて笑った





「……って、旅行?」





翔太の言葉を思い出していると、引っ掛かったこの言葉




ちょうどいいタイミングで隣にきた美沙ちゃんを捕まえて廊下までくる





「旅行ってどういうこと!?ってか、さっきの水着藤宮光に見せるためだけに着せたでしょ!!!!」




「二泊三日の旅行だよ。男なんか千晶の肌見せればすぐ落ちるから」






私の熱い言葉にも美沙ちゃんは淡々と冷静に答える





「…旅行って、私なにも持ってきてないよ?」




「…私たちが急に連れ出したからな。それも予想して着替えとかも全部用意してある」





……これは、帰ることは許されないんだな




「…わかったよ。色々ありがとう」






私はこの二泊三日を楽しもう





そして、藤宮光との距離を縮めよう