意地悪な君の恋の仕方






どうしてここにいるの?



少し日に焼けた?



なんか、久しぶりだね




言いたいことは山ほどあるのに、なかなか声にならなくて




それよりも、また話せた。



また、名前を呼んでくれた




ただそれだけのことが嬉しかった




「……」




藤宮光の顔を見ると少し赤くて、なんだか少し怒ってるようだった





「…なんすか、その格好」




そう言われて自分の格好を思い出す




「…っきゃ!み、みないで!!!!」





そう言う私を藤宮光は呆れたように見て、自分が着ていたパーカーを私にかけた。






「…もうすぐ、翔太先輩と慎先輩来ますからそれ着ててくださいね。てゆーか、中で待っててください」




そう言うと来た道を戻っていってしまった




私はそっとドアを閉める




藤宮光のパーカーは大きくて、藤宮光の匂いがした