何か企んでるなとは思ってたけど
「…なにこれ…」
屋上で二人に抱き締められたすぐ後の土曜日
私はなぜか海辺に建つ綺麗で大きな家の前に立っている
「…なにって、昨日ちゃんと連絡しただろ?」
あきれた顔で私に言う美沙ちゃん
……たしかにきたよ。
昨日の夜10時頃。
漫画を読んでたらうとうとしてきたところに私の携帯が鳴った
《美沙ちゃん》と表示された画面に触れて電話に出ると…
『明日、うちの別荘にみんなで行くから準備しとけ。朝8時に迎えに行く』
それだけを言うと切られた。
…え?なんで?とか聞く暇もないほどすぐに切られたから、何の冗談なんだろうって思ってすぐに寝た。
そしたら8時に本当に迎えに来て…
私はあっという間に着の身着のままここへと連れてこられた
「…てか、別荘とかでかすぎでしょ…」
菜々子ちゃんは前に来たことがあるのか、私を見て微笑んでいた
「あんないいところに住んでる千晶に言われたくないよ」
そう言いながら美沙ちゃんはドアを開けた

