意地悪な君の恋の仕方





「はーい。んじゃみんな行ってきまーす」



「「「「いってらっしゃーい」」」」




私が教室を出ようとすると




「ちょっ…」



掴まれた左腕




「なによ」



掴んでいたのは藤宮光だった。



「普通付いていきますか!?警戒したりとかないんですか!?」




なに意味分かんないこと言ってんだこいつ




「そりゃ、最初のほうは警戒してたけど…こう何回も同じようなことがあれば慣れるもんよ。いってくるから離して」




するりと離れた手に、私は知らない人の後ろを付いていく。




こーゆーことは初めてではなくて、むしろこーゆーことが無い日の方が少ない。



あ、でも藤宮光が来るようになってからは初めてか。




そんなことを考えながらついてくと、屋上前の階段に着いた





「…た、丹田さん!あ、あの…好きなんですけど…つ、付き合ってくれませんか!?」





「ごめんねー?今は恋愛する気ないんだー」



毎回と同じパターン





え、わ、私!?とか


付き合うってどこにですか?とか



そーゆー可愛らしいことは言わずに、顔色も変えないままに断る。





その早さに大抵の人はついていけないみたいで…



ぽかーんとしたまま動けずにいる。





私はごめんねーともう一度いいながら、放心状態の男の子を置いて教室へと戻った。