相手を傷つけないためだ。

自分が苦しまないためだ。

強い罪悪感に苛まれる度に、

ただ、祈るように思った。



「美沙?どうしたの?」

「・・・!あ、ああ、ちょっとぼうっとしてた」

佳織の言葉で、ふと我に返った美沙は少し慌てて言った。
まただ、と美沙は自嘲気味に思う。

どうしても、悩んでしまう。
考えて、しまう。

そんな時、彼女らの存在は大切だということを、改めて、漠然と感じた。
離したくない、そう思った。

そうする事で、彼女らを騙し続けることになるとしても。