おばあちゃんのことは、もう他人とは思えなくて、できることなら理由を聞いて引き留めたかった。

会えなくなるのは寂しい。

おばあちゃんの「おはよう」で一日が始まっていたようなものだから。

でも俺にはどうにかする力もなければ、留める権利もない。

今度バスに乗る時、おばあちゃんはいない。

空いた優先席を見て、胸が苦しくなるかもしれない。