「あら、おはよう」

「おはようございます」

「それは何? 補聴器か何か?」

おばあちゃんが俺の耳のイヤホンを指さしながら不思議そうに首をかしげる。

「いやっ、これはイヤホンってやつで……これで音楽が聴けるんです」

「そうなの。音楽ねぇ。そんな小さいもので聴けちゃうのね」