頬に当たる風が 心地よい。 バイクはガンガン飛ばす。 「あのー、」 男に話しかけてみる。 「僕、園田かえでです。」 「あー、そー。」 「…。あのー、」 「なんだよ、うっせーな 黙らねえなら乗せねえぞ。」 「じゃ、じゃあ黙ります。」 「よーしよしいい子だなー」 むかっとはするものの 何故かこの人から離れたくない 気がしてしまってならない。