まるでわたしの心の中を覗いたかのように名前を言っていた。
エスパーだよッ!
「……すご、い。」
「どうかなさいましたか?
何かご用件があればお申し付け下さい。」
「…ありがとう!
じゃあ…早速……。
朝は送らなくて大丈夫です!」
「それは承知する事が出来ません。」
「…何でですか?」
「奥様から送るよう、きつく申されていましたので…。
奥様を裏切るような行為は…。」
「…でも、うん。
仕事増やすのは悪いので…。」
よしッ!
これだけ言えばきっと……!!
「申し訳ありません。
それは出来ない約束となっております。」
「ちょっ…「では、ゆっくりご準備をなさって下さい。」」
益森さんがわたしの言葉を遮った。
やっぱり悪いなぁ……。
でも…遅刻しちゃいそうだったからいっか!
今日、だけね!

