まるで今までの出来事が全て幻だったかのように、部屋が一気に静まり返る。




…私、夢を見ていた?



天使と悪魔がこの部屋にやってきて私をゲームへと誘い、そして…私の心を奪っていった事、全て…。


二人が消えた瞬間、現実味がなくなってしまった---





--白昼夢--



そんな事…、ないよね?




私の前には可愛らしい天使と悪魔が、いたよね?



不安になり窓の前まで来た私は、ピンク色のカーテンを開けた。




外にいるわけない…か。



魔界に行ったのは朝だったのに、帰ってきた時にはもう夜になっていた---



魔界と人間界では時の流れが全く違うとは聞いていたけれど、ほんの少し魔界に行っていただけでもう、人間界では何時間も時が経っている。