冷酷王子はイジワル男子



「やった! ありがと!
ここで食べるんだよね?」



「うん。」



私がそう答えると恵斗君は上機嫌で空き教室に入っていく。その後に続く私。



でも、神田君はなかなか入ってこない。



「神田君…? どうしたの?」



すると神田君は恵斗君を睨んで言った。



「僕、キミ嫌いなんだよね。
だから2人で食べたら?」



キミって、恵斗君のことだよね。
でもなんで? 恵斗君、いい人だよ?



すると恵斗君は神田君を睨み返して、




「へえ? それは奇遇だね。
俺も神田君のこと嫌い。」



と言った。



あわわ…何この雰囲気?
すごく居心地悪いんですけど…!



「神田君も恵斗君もそんなこと言わないでよ。

私は2人ともいい人だし、大好きだよ?
だから仲良くしてよ…!」



私がそう言うと恵斗君は、



「うーん、俺はわかったけど、
神田君しだいだね。」



と言って、神田君はなぜか余計に不機嫌というか、拗ねたようだった。