「神田君? 教室、行こ?」
私がそう言うと神田君は私の腕を掴んで人気のない場所に連れて行った。
「神田君…?」
どうかしたのかな?
そう思いながら神田君の顔を覗き込むと睨まれてしまった。
ひっ…怖…
思わず後ずさり。
でも私が後ずさりするたびに近づいてくる神田君。
そして私が壁に追い詰められたとき、
神田君は私の頭の横の壁に手を置いた。
「あいつとどういう関係なわけ?」
「あ、え、あいつ?」
あいつって恵斗君のこと、だよね?
「恵斗君とは、友達、だよ?」
「じゃあなんで名前で呼び合ってるわけ?」
それは、そりゃあ、
「恵斗君が呼んでいい?って言ったから。」
私がそう言うと神田君は
「ふーん。」
と何かいいたげな表情をしてから、
「もういいや。
せいぜい襲われないようにね。」
そう言って教室へ向かう神田君。
「って、襲われないよ! 友達だし。」
私はそう言いながらなぜかため息をついた神田君の隣に並んだ。