「え、そう言うことなら全然いいですよ!」
だって、この人の彼女、嫌がらせされたらかわいそうだもん。
「じゃあ、こっち来て。」
グイッと腕を強く引っ張られる。
そして連れて来られた場所は人気のない場所。
「…ここに、その女の人がいるんですよね?」
不審に思い聞いてみる。
いくらなんでもここは人がいなさすぎだ。てか、気配も感じられない。
すると男の人は笑い出した。
「そんなの嘘だよ。俺、彼女なんていねーし。
てか、嘘に引っかかっちゃうなんてキミ可愛いね。」
そう言って私は逃げないように壁に押し付けられる。
「きゃっ…! ちょっと離して…」
両手も動かないように固定される。
「い、嫌…誰か…!」
「誰も来ねーよ。
今頃彼氏、探してるかもね?
それとも逃げられたとか勘違いしちゃってるかな?」
そう言って微笑む男の人。
するとーー
「今頃、彼氏がどうしてるって?」
「か、神田君…!」
走って探してくれたのか息を切らせてる神田君が。