冷酷王子はイジワル男子




キスで苦しくなり肩で息をする私を見てクスクスと笑う神田君。


…肩で息をしてるの、神田君が悪いんだけど。


そう思うけど口には出さない。
てか、出す勇気ないし。



「キスくらいでそんなに息切れするとか、肺活量なさすぎ。」



「…うるさい。神田君のバカ。」



私がそう言うと神田君は怖い笑みで、



「バカ、ねぇ?
それって細川さんのこと言ってるよね?

まさか僕のことをバカとか、ありえないよね?」



と言った。



な、なんか神田君、怖い…!
その笑み怖いよっ!



「も、もちろんバカなのは私のことだよ!」


思わずそう言うと神田君は、フッと少し笑った後、



「よかった。もし僕がバカとか言い出したらどうしようかと思ったよ。」



と言った。


その瞬間、私の背筋が凍る。

もし、バカだって言ったらどうなったんだろ…。