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あれから数時間が経ち、今は帰り道。
なんと、神田君が送ってくれるらしい!
やったー! と1人で大はしゃぎ。
「ねえ、神田君の家ってどこ?」
ふと気になったから聞いてみた。
家が近いといいなぁ。そう思ってるけどやはりそうはいかないみたい。
「坂町。」
へー、坂町かぁ。
私の中学に坂町の友達いたなぁ。
…ってん?
坂町?
「ね、ねえ、坂町って私の家と反対方向じゃ…」
確か坂町って、駅から私の家とは逆方向だった気がする。
「うん。そうだよ。」
ほとんど表情を変えずに言う神田君に、
「だ、だよね…」と言ってしまう。

