「ねえ、空いてる日ない?」


思い切って聞いてみる。


「空いてる日? ないね。
こうみえて僕も忙しいんだよね。」



そう言ってパクパクと箸を進める。



「えー! 少しもないの? ほんの少しも…。」



私は粘る。
でも、


「だからないって。あったとしても、言う義理ないし。」



粘るだけ無駄のようです。



「い、言う義理ならあるよ!
わ、私彼女だもんっ!」


それでも粘って粘って粘りまくる私。



「ふーん? まあいいけど。
でもなんでそんなこと聞くわけ?

空いてる日とか、どうでもいいよね?

まさかだけどデートの誘いとかじゃないよね?」



うっ、そのまさかですけど。
って、本当すごいや。神田君は。

人の心読めちゃうもんね。


それでも私は声を振り絞って、


「その、まさかです…」


と答えた。