気が付けば…… 次の回の上映が始まっていた。 また一人、この席で、あの日のことを思い出した。 『ねぇ、こっちを向いて……』 今にも聞こえてきそうなその声を、何度となく待ち望んだ。 でも…… 一度たりとも、聞こえてくることはなかった。 2回目の上映が終わり、ようやく重たい腰を上げた。