いくつかの記念館や博物館が立ち並ぶ中、迷わず、私はコンクリート打ちっぱなしの洋館を目指した。 雨粒を振り払い、自動ドアの先へと足を踏み入れた。 ヒヤッとした冷気に、思わず身震いした。 雨の中、歩いてきたものだから、どうやら身体が冷えてしまったようだ。 バックに手を伸ばし、ネイビーの薄いカーディガンを肩から羽織った。 受付で入場料と引き換えにパンフレットを受け取り、パラパラ捲った。 案内コースとは別に、一目散に“あそこ”を目指した。