こうして武田は慶応三年6月22日夜、鴨川・銭取橋で新撰組隊士・斉藤一に殺されることになったのである。


平助と一緒に………



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美輝「……………………………」


栄太「美輝………」


半刻経って漸く落ち着いた美輝は

放心状態に入った…………。


晋作「おいっ!大丈夫かぁ?」


玄瑞「そっとしといてやれ」


栄太は美輝を引き寄せ胸に抱き締めて

壁に寄りかかった


栄太「辛くても……お前の周りには

武士しかいないんだ………」


美輝「……………………………」


栄太「はぁ〜〜〜〜〜〜…………」


晋作「本当に手のかかる奴だっっっ!」


美輝は栄太から抜け出して立ち上がった


美輝「ありがとう。落ち着いた。帰るね……」


グイッ!


栄太「藤堂が迎えに来るから……。

それまでは此処に監禁」ギュッ!


美輝「………疲れた………」


晋作「じゃあ……考えんなよ」


美輝「考えたくなくても頭に浮かんじゃうの」


晋作「頭一回殴ってやろうか………

記憶飛ぶんじゃねぇの?」


玄瑞「これ以上おかしくなったら

こっちが困るっっっ!!!」


栄太「寝ている間に……全部消えちゃえばいいのに」


美輝「全て忘れたい………」


晋作「抱いてやろうか……。忘れるぞ?」


栄太「それは俺の仕事」


美輝「……………………………」


玄瑞「笑えよ……」


スパンッ!


平助「吉田……。ありがとう。美輝……行くよ」


美輝は立ち上がり手拭いを出して返り血を拭いた


美輝「行こう………栄太……またね」


平助は美輝の手を握って宿を出た


美輝「こっちだよ」御陵衛士屯所へと引っ張る美輝


平助「伊東さんに泊まるって言ってきたんだろ?

宿に泊まるよ………」


美輝「…………………そうだった………」


一晩二人で、淋しさを埋めるように求めあった。



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