美輝は宿の近くの甘味処で働き始めた


    あまり売れない店だったから


    栄太は安心して働かせたが


  一月後には美輝を目当てに来る男で


        大繁盛だ


      持ち前の元気と笑顔 


     逢瀬のお誘いも多い為


   栄太が仕事終わりに迎えにくる



    ……………………………………




   美輝「栄太……いつもスミマセン………」

   
   栄太「良いよ……手込めにされたら

         困るのは俺だし」


   美輝「本当に優しい兄上ですね……」


   栄太「兄上って言うな!

     好いてるオナゴに兄上と言われる

     屈辱……お前に分かるまい!!」


   美輝「分かりますよ? 藤堂さんに

    妹みたいだって言われてましたし


   だから……栄太の気持ちは分かります」


   
    栄太「知っててその爆弾落とす

        美輝は凄く酷い女だ」



    美輝「それを望んでいますし……」



    栄太「……………………………………

        本当に酷い子……………」



   美輝「ありがとうございます

     諦めて頂いて光栄です!」ニコッ!



   栄太「誰が諦めるって言った?

      俺は死んでも諦めない……」


   
   美輝「はぁ~~~~~~~………」 



    
    ーーーーーーーーーーーーーー
   


  3カ月経った頃………

    美輝は栄太に内緒で文を書いた

    お店が暇なときに教えて貰ったのだ


    何とか候とかは書けないけど………


    栄太と晋作が会合でいない日


     平助宛てに手紙を書いた


 【平助へ……

    元気?風邪引いてない?

    ちゃんとご飯食べてる?

      怪我してない?  



    今私は長州の甘味処で普通の

    女の子として働いています

    何度か脱走したけど

    捕まっちゃいました………

    栄太達には内緒で送った文なので

    平助からは送らないで下さい。

    取り敢えず……生きてます



    早く帰ってみんなに会いたい

    早く平助に抱き締めて欲しい


      手を繋ぎたい…………

    
       平助を愛してます


         西野  美輝】



   急いで飛脚のお兄さんに渡した


   少しお金を足して急いで届けて


      貰うように頼んだ